会場はサンクトペテルブルグの市内から相当離れた郊外です。
 
都心まで出るのにバス、地下鉄を乗り継いで1時間ちょっとかかります。
 
毎週水曜日が対局の休日、それに週末のあわせて4日間エクスカーションが組まれました。
 
参加者の多くは日本人です。ヨーロッパ人の多くはツアーは高いので個人で観光に出かけます。
 
韓国人は一人も参加しません。碁を打つのが目的でそれ以外は眼中にないようです。
 
川の辺に静かにたたずむサンクトは近代ロシアの発展を導く町として建設されて今年がちょうど300年です。
 
その帝政ロシアを覆したロシア革命の発祥の地でもあり、その後ナチスによって侵略破壊されるなど、サンクトは栄光と悲惨な歴史を秘めています。
 
その歴史を刻んだ文化遺産を満載したエルミタージュ美術館や、エカテリーナ宮殿、噴水で知られるピョートル大帝夏の宮殿など一通り見てきました。いずれも素晴らしい建築物、世界的な芸術品ばかりで圧倒されました。
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夏の宮殿 

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エカテリーナ宮殿のお殿さま?

問題はどこも超満員、長時間待たされました。
 
中でもナチスに持ち去られて未だに行方不明、建都300年を記念して復元され、5月のサミットで初公開された琥珀の間のある エカテリーナ宮殿は外で待つこと3時間、中で待つこと1時間、ようやく建物に入って1時間・・・ともかく待ちくたびれました。
 
もう一度ゆっくり一人で見て回りたいという気持ちになりました。
 
サンクトの運河めぐりも楽しみました。            
                              
運河とマッチしたサンクトの町の景観は素晴らしいの一言で、さすが北のヴェニスといわれるだけの水の都です。

 

どちらも行ったことのある人はサンクトの方が
 
上ではないかと言っていました。
 
札幌の隣の小樽運河なんて、サンクトに比べる
 
のが失礼というものでしょう。
 
一条のドブ川にすぎません。
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 船上からエルミタージュ美術館を臨む  屋根の一つ一つも像

 
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ロシア娘はとてもきれいでした。
 
  日本で数年前流行した「へそだしルック」が今が盛り、
       
  中年おじさんは目のやり場に困りました。
 
  けど、愛想の悪さは天下一品、店員は笑顔一つ浮かべるわけでもなく、いらっしゃいというわけでもありません。
 
  物を買ってもスパシーバ(ありがとう)ひとついいません。
 
  何か尋ねると自分の担当以外は知らないふりして、プイと横を向きます。
       
  ロシアが観光立国になるには相当の年月を要するでしょう。
キャンパスに野外バーベキューの店が1軒ありました。 
注文すると1時間待ちです。                          
 
ビールがどんどんなくなり、何度もお代わりする羽目になります。
 
毎日こんなにお客さんが入ってるなら客の回転をよくする方法を考えればと思います。
 
けど、初日から最後まで店の人は、人を増やすわけでもなく、一つしかない肉を焼くコンロを増やすわけでもなく、マイペースです。
 
終盤になると客の方に知恵がつき、つまみ、果物持参で野外バーベキューの椅子に座ります。
 
店の人も何も言いません。             

 

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バーベキュー一皿、ビール一杯で120ルーブル(\480円)        

:重野由紀プロ

市場経済の原理の働かないロシアに日本の国力が劣るような事はあってはならないと感じました。
 
ロシアの治安は想像以上に悪化していました。モスクワの国際空港から、サンクトに行く国内空港までの間の数キロを、タクシーの運転手が日本人をみると執拗に追っかけ法外な値をつけて乗らないかと声を掛けます。ノーサンキューというと、どんどんダンピングです。
 
インフォメーションに行き、バス乗リ場を尋ねました。ガイドは日本人だと分かるとタクシーに乗れというんです。みなグルなんでしょうか。
 
道も言葉も分からない日本人は、お金で解決するならと乗ってしまう。これがさらに悪循環となってるようです。

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持ち物はがっちりガードして買い物

 

都心にでて買い物に行った日本人5人が、バッグを切られ中身を取られました。  
 
 中には後ろから羽交い絞めされ胸ポケットの財布をとられた人もいました。
 
 20数人の日本人がたった半月で5人も被害にあう。
 
 これは相当高い被害率です。
 
 由紀先生も被害にあいました。
 
 村岡先生はリュックを背中でなく、前に背負って歩いていました。
けどコングレスそのものは『楽しい』の一言に付きました。ゆったりと流れる時間の中での囲碁三昧の2週間でした。
日本語のできる外国人との交流もできました。何よりも今回参加した日本人を知ることができ、また囲碁仲間がぐんと増えました。
 
と同時に、原石のようなロシアの子ども達にも出会いました。みな目が輝いていました。いずれここからロシアチャンピオンがでるでしょう。
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日本の山下敬吾?                         

  ロシア期待のシンクタンク5段(16歳)                
    (日本の6段が勝てない) 
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カチェブニック初段(13歳)

ジャパニーズ5段の私が勝てない、堂々上位進出

日本の参加者、ロシアの坊やたちと 来年の再会を楽しみにお別れしました。
 
来年は自然が一杯の森の中のチュコラ(ポーランド)です。
 
事情が許せばぜひ行きたいものです。
 
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 望田武司

 tmochida@bea.hi-ho.ne.jp

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後ろのミニバスで会場を去る前の最後のお別れ

29/11/2012

European Go Congress 2003 St Petersburg